情報科学演習(看護学科)・第3部


表計算ソフトの基本操作について

表計算ソフト Excel97(Microsoft社)の操作方法を学習します。表計算ソフ トは、表の形に表わされた計算(家計簿・見積書・統計表など)をするための ソフトウェアです。その他にデータの並び替えやグラフの作成なども行なえま す。表計算ソフトはスプレッドシート(spreadsheet)ソフトとも呼ばれます。
  1. Excel以外の表計算ソフト

    ロータスの 1・2・3、 ジャストシステムの三四郎などがあります。

  2. Excelの起動

    「スタート」─「プログラム」─「Microsoft Excel」で起動します。

  3. 各部の名称
    1. セル・アクティブセル
    2. 行番号
    3. 列番号(?)
    4. 数式バー
    5. ワークシート
    6. シート見出し

  4. 簡単な例

    次のとおり入力してみましょう

    一度確定したセルを再度編集するには   ──   セルを選択して、F2キーを押します。

    「名前をつけて保存」・「上書き保存」などは、Word, PowerPointと同じです。 やはり小まめに保存しましょう。

  5. 表の操作(列の選択・行の選択・挿入・削除など)

    行全体を選択するには、行番号(1, 2, 3, ...)、 列全体を選択するには、列番号(A, B, C, ...)をクリックします。

    行を挿入するときは、挿入する場所の次の行を選択しておいて、 右クリックし、メニューから「挿入」を選びます。 行を削除するときは、削除する行を選択しておいて、 右クリックし、メニューから「削除」を選びます。 (列に対しても同様です。)

    列の幅を変更したい時は、列を選択しておいて、右クリックし、 メニューから「列の幅」を選びます。
    自動的に列の幅を調節して欲しい時は、列を選択しておいて、 メニューの「書式」─「列」─「選択範囲に合わせる」を選びます。

  6. 数式の計算

    D3のセルに =B3*C3 と入力します。 D3のセルに計算結果の 1000が表示されます。

    B3や C3のセルの値を書き換えて、D3の値が自動的に変更されることを確かめましょう。

  7. オートフィル

    1. D3のセルを選択して、太枠の右下の正方形のところに、 マウスポインタを持っていきます。マウスポインタが  + という形に変わります。
    2. そのまま、マウスを D7のセルの右下までドラッグします。
    3. D3のセルの内容が D4〜D7にコピーされます。

    この時、例えば D4の中身を見ると  =B4*C4  となっています。このように式が他のセルを参照している場合、 通常、セルの相対的な位置関係を考慮した参照(相対参照) として扱われます。

  8. 合計の計算

    1. D8のセル(総合計の右側のセル)を選択して、ツールバーの を押します。
    2. D3〜D7のセルが、点線で囲まれます。もしこの時、 囲まれたセルが D3〜D7と異なっていれば、 D3〜D7をマウスでドラッグして D3〜D7が点線で囲まれた状態にします。
    3. Enterキーを押します。
    4. D3〜D7のセルの値の合計(7750)が表示されます。

  9. 書式の変更

ここから先は 次の例を用いて、 説明します。

(B11に自分の名前をいれて、点数を適当につけてください)。
まず G2〜G11に各人の合計点を計算します。

  1. 連番のオートフィル

    A3のセルに 2と入力します。 A2〜A3をドラッグして2つのセルを一度に選択した状態にし、 右下の小さい四角を A11の右下までドラッグします。

    番号が 3〜10まで振られます。

  2. 各種関数(平均・分散)

    各教科および合計点の平均を計算します。

    1. B12に「平均」、B13に「標準偏差」と入力します。
    2. D12(国語の平均)を選択し、 「関数貼り付け」 を押します。
    3. 出てきたウインドウ中で、関数の分類は「統計」、 関数名は「AVERAGE」を選択します。averageは平均という意味です。
    4. 次に出てくるウインドウの「数値1」が D2:D11:は「〜から〜」という意味で、 これは平均を求める範囲です)となっていることを確かめて、 「OK」します。
    5. D12を E12〜G12にコピーします。数学、英語、合計点の平均点も求まります。

    次に、標準偏差(点数の散らばり具合い)を計算します。

    1. D13(国語の標準偏差)を選択し、 「関数貼り付け」 を押します。
    2. 出てきたウインドウ中で、関数の分類は「統計」、 関数名は「STDEVP」を選択します。 (標準偏差 ─ standard deviation)
    3. 次に出てくるウインドウの「数値1」は、D2:D12となっているはずです。 これは間違っているので修正する必要があります。
    4. 数値1の右の方の というボタンを押します。
    5. D2〜D11までドラッグして選択します。
    6. 上の方にある というボタンを押します。
    7. 再びさっきと同じウインドウが出てくるので、 「数値1」が D2:D11となっていることを確かめて、 「OK」します。
    8. D13を E13〜G13にコピーします。数学、英語、合計点の標準偏差も求まります。

    AVERAGE, STDEVPの他にもいろいろな関数があります。 興味のある人は各自で調べてみてください。

  3. 相対参照と絶対参照

    合計点に対して各人の偏差値を計算してみます。 偏差値は次の式で計算します。

    (各人の偏差値) = 50+10*((各人の点)-(平均点))/(標準偏差)
    
    1. H1に「偏差値」と入力します。
    2. H2に   =50+10*(G2-G12)/G13  と入力します。

    ここで H2を H3〜H11までコピーしたいところですが、 このままでは G2, G12, G13は「相対参照」となっていて、 H3にコピーしたときは、  =50+10*(G3-G13)/G14  となってしまいます。これを防ぐためには、 G12と G13を絶対参照に変えておく必要があります。

    1. H2を選択します。
    2. 数式バーをクリックするか、F2キーを押してセルを編集できるモードにします。
    3. G12G13をそれぞれ $G$12$G$13に書き換えます。カーソルを G12の所に持っていって F4キーを押すと自動的に $を挿入してくれます。この $が、 絶対参照を表わす記号です。
    4. H2を H3〜H11までコピーします。

    ここまでの結果

  4. ソート

    次に、成績順に行を並び替えてみます

    1. 並び替える範囲(A1〜H11)を選択します。
    2. メニューの「データ」─「並び替え」を選びます。
    3. 出てくるウインドウ

      で「最優先されるキー」を「合計」に変更します。 また、「降順」を選択します。

    4. 「範囲の先頭行」が「タイトル行」になっていることを確認します。
    5. 「OK」します。

    結果

  5. グラフの描画

    次のデータをグラフにしてみます。

    1. グラフにしたい範囲(A2〜D6)を選択する。
    2. ツールバーの「グラフ ウィザード」 を押す。
    3. グラフの種類を選択する。
      (この例の場合、「横棒」の「積み上げ横棒」または「100% 積み上げ横棒」が適当でしょう。)
    4. 「完了」を押す。

    グラフの描画のオプションはたくさんありすぎて、 完全にマスターするのは難しいので、 いろいろと試行錯誤してみてください。

  6. Excelと Word・PowerPointの連携

    Excelで作成した表(の一部)やグラフなどを、 Wordや PowerPointの文書中に貼り付けることができます。 通常のコピー・ペースト(貼り付け)の操作でも貼り付けることができますが、 貼り付けるときに、メニューの「編集」─「形式を選択して貼り付け」を選び、 「リンク貼り付け」を選択しておくと、 もとのデータを変更したときに、変更が貼り付けた先にも反映されます。

    注意!: Wordと Excel, PowerPointと Excelなどを同時に起動すると、 特に Windowsが不安定になります。必ずデータを保存しておきましょう


課題


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Koji Kagawa (kagawa@eng.?????)