プログラム言語論'06 レポート問題


問 1

提出ファイル名 ababb.c

(a|b)*abbという正規表現を認識する DFAの状態遷移表は次のようになる。
    ACB D E 
aBBBB
bACDEAC
開始状態は AC、終了状態は Eである。

この状態遷移表を用いて、引数として渡された文字列が、正規表現 (a|b)*abbにマッチするならば 1をそうでなければ 0を返す関数 int ababb(char*)を定義せよ。

プログラムはこんな感じ

#include <stdio.h>

int table[?][?] = {?}; /* 遷移表を配列として表現 */
int ababb(char* str) {
  ?
}

int main(int argc, char** argv) {
  int i;
  for (i=1; i<argc; i++) {
    char* str = argv[i];
    if (ababb(str)) {
      printf("%sは正規表現 (a|b)*abbにマッチします。\n", str);
    } else {
      printf("%sは正規表現 (a|b)*abbにマッチしません。\n", str);
    }
  }
  return 0;
}
?の部分を埋めてください。

問 2

提出ファイル名 rdp2.c
次のような BNFで表された文法(idは終端記号とする。):
  E -> id
    |  E "[" E "]"
    |  E "." id
    |  E "(" X ")"
  X -> E X'
  X' -> "," E X'
     |  ε
に対して、
  1. E の生成規則から左再帰を除去せよ。 (左再帰を除去するために、新しい非終端記号を導入する場合、 E'という名前をつけよ。)
  2. 左再帰を除去した文法に対して、構文解析表を作成せよ。
  3.  次の文法(開始記号は Expr):

       Expr    → CON
    	    | FunCall
       FunCall → FID '(' Expr ',' Expr ')'
    
       -- 以下は終端記号: 字句解析部で処理
       EOL     → '\n'                    -- End Of Line
       CON     → '0' | '1' | ... | '9'   --  一桁の数のみ
       FID     → '+' | '-' | '*' 
    
    に対する再帰下降構文解析プログラムの例 を参考にして、問の文法に対する再帰下降構文解析プログラムを作成せよ。

    入力が E であれば、"Correct!"(または「正しい!」)と表示し、 間違っていれば、適当なエラーメッセージを出力するようにせよ。

    ただし、「終端記号に対応するマクロの定義」の部分は代わりに

    #define ID  256
    #define EOL 257
    

    「簡易字句解析ルーチン」は代わりに
    /* 簡易字句解析ルーチン */
    int yylex(void) {   
      int c;
      
      do { 
        c = getchar ();
      } while (c == ' ' || c == '\t'); /* 空白は読みとばす */
      if (isalpha(c)) { /* IDは一文字のアルファベット */
        yylval = c;
        return ID;
      }
    
      if (c == '\n') { /* 行末が $(入力の終わり)に対応する */
        return EOL;
      }
      
      if (c == EOF) {  /* ファイルの終 */
        exit(0); 
      }
      /* 上のどの条件にも合わなければ、文字をそのまま返す。*/
      return c;   /* '(', ')', '*', '[', ']'など */
    }
    
    を用いよ。(プログラムのテンプレート

    少なくとも以下のような例については、テストして下さい。
    入力結果
    a[x]Correct!
    a[(x)]エラー
    a.tCorrect!
    f()エラー
    f(x)Correct!
    f(x, y)Correct!
    f(x, y,)エラー
    f(x.t.x, a[x][y], z)Correct!
    レポートにはこれ以外の実行例を2個以上入れて下さい。

提出などについて

上の問題を解いて、プログラムを作成し、 またそれに対するレポートを作成して下さい。 (締切 2月 13日 火曜日 18時)

レポートは, Microsoft Word, OpenOffice Writer, もしくは同等のワープロソフトで作成します。 作成したソースファイルとレポートのファイルをオンラインで提出してください。 (Microsoft Word, OpenOffice Writer以外のワープロの場合は、RTF, PDF, PostScriptなど、そのソフトを持っていなくても読める形式に変換して下さい。) また同時に、レポートをA4用紙に印刷し、 ホッチキスで左上を綴じたものを学務係前のレポートボックスに提出してください。

オンラインの提出場所は

の各自の学籍番号のフォルダです。必要なファイルは
  1. レポートのファイル(名称指定なし)
  2. Cのソースファイル(ababb.cとrdp2.c)
です。

レポート作成上の注意

この注意が守られていないレポートは減点の対象になります。

問題を数人で相談しながら解くのはもちろん構いませんが、 実行例とレポートは各自で作成してください。 実行例まで同一のレポートは不正レポートと見なします。

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Koji Kagawa (kagawa@eng.?????)