2017 年度プログラミング・期末テスト・解答例

全体

• 期末テストはペーパーテストが 32 点満点、 オンラインテストが 8 点満点で採点する。
  

• 今回はテストであるので、NG というメッセージがあっても、 再提出する必要はない。

ペーパーテスト

1. 以下のプログラムは動作はするがインデンテーションが滅茶苦茶で プログラムの構造を正しく反映していない。プログラムの構造を明確にするために 「プログラミング」のインデンテーションの約束事（問題用紙末尾に記載）に厳密に従って （特にⅤ番目のルールに注意）、必要に応じてブレースを挿入し、 インデントしなおせ。この問題については、ブレース内の字下げは3文字分とせよ。

   もちろん、プログラムの意味（実行結果）が変わらないようにすること。

   解答は、最初の #include <stdio.h> は省略せよ。また、 解答欄のスペースの都合で、空行は入れずに記入せよ。なお、 putchar は p-----r、 while は w---e、 return は r----nのように省略してよい。

   int main(void) {
   int i = 1, j = 1;
   while (i++ < 5)
   while (j++ < 6)
   if (j % 2 == 0)
   putchar('@');
   putchar('*');
   if (i % 3 == 0)
   putchar('\n');
   return 0;
   }
   

   • 正解は以下の通りである。

     #include <stdio.h>
     
     int main(void) {
        int i = 1, j = 1;
        while (i++ < 5) {
           while (j++ < 6) {
              if (j % 2 == 0) {
                 putchar('@');
              }
           }
        }  
        putchar('*');
        if (i % 3 == 0) {
           putchar('$');
        }
        putchar('\n');
        return 0;
     }
     
     

2. 次のプログラムは、 「整数を入力してください。」と出力してから一つの整数値を読み込んで、 その数を初項とし、以降の各項が前項の -2 倍 になる数列（公比 -2 の等比数列）を、 -1000 以上 1000 以下の範囲に収まるあいだ表示するプログラムである。 空欄を埋めて、プログラムを完成させよ。

   #include <stdio.h>
   
   int main(void) {
       int n;
   
       printf("整数を入力してください。"); scanf("%d", &n    );
       while (   -1000 <= n && n <= 1000   ) {
           printf("%d ", n);
           n *= -2;
       }
       putchar('\n');
       return 0;
   }
   

   • 正解（例）とコメントは以下のとおりである。

     番号	正解例	コメント
     (ⅰ)	&n
     (ⅱ)	-1000 <= n && n <= 1000	≤ とか ≥ と書いている人が意外に多いが、そんな演算子は C 言語にない。 && のところを || としている間違いが多い。 「&」 が「〜かつ〜」なのは、覚え間違えないようがないと思うが…。

3. 以下のプログラムの空欄に、

   • 3つのdouble型の引数 x, y, z を受け取り、 その平均値を返す関数

         double average3(double x, double y, double z)

   を定義せよ。（解答欄は横幅が狭いので、適当なところで改行を入れること。）

   #include <stdio.h>
   
   
   
   
   
   
   int main(void) {
       double a = 1.0, b = 1.5, c = 3.0; 
       printf("%f と %f と %f の平均は %f です。\n", a, b, c, average3(a, b, c));
     
       return 0;
   }
   

   • 正解例は、以下の通りである。

     double average3(double x, double y, double z) {
         return (x + y + z) / 3; 
     }
     

     分母を 3.0 や (double)3 と書いても間違いではないが、 必要ない。

4. 正解は以下の通りである。（問題文の掲載は省略する。）

   (ⅰ).  (C),   
   (ⅱ).  (C),   
   (ⅲ).  (D),   
   (ⅳ).  (B),   
   (ⅴ).  (A),   
   (ⅵ).  (D),   
   (ⅶ).  (C),   
   (ⅷ).  (C),   
   (ⅸ).  (A),   
   (ⅹ).  (D),   
   

オンラインテスト

• （必須）繰返し:
  提出ファイル名: feb09_1.c

  正の整数 n を入力として受け取って、 1 から n までの整数を空白で区切って表示するが、

  • 3 で割ると 1 余る整数と、
  • 5 で割ると 2 余る整数は、

  下の実行例のように、数の前に「!」を付けて表示するプログラムを作成せよ。

  実行例 1:

  正の整数を入力して下さい: 10↵
  !1 !2 3 !4 5 6 !7 8 9 !10 
  

  実行例 2:

  正の整数を入力して下さい: 25↵
  !1 !2 3 !4 5 6 !7 8 9 !10 11 !12 !13 14 15 !16 !17 18 !19 20 21 !22 23 24 !25 
  

  • 正解例は以下の通りである。

    #include <stdio.h>
    
    int main(void) {
         int i, n;
         printf("正の整数を入力して下さい: ");
         scanf("%d", &n);
    
         for (i = 1; i <= n; i++) {
    	  if (i % 3 == 1 || i % 5 == 2) {
    	       putchar('!');
    	  }
    	  printf("%d ", i);
         }
    
         putchar('\n');
         return 0;
    }
    
    

• （必須）多重ループ:
  提出ファイル名: feb09_2.c

  下に示すように、0 以上の段数 n を入力として受け取って、 以下の条件をみたす数

  • 各行の最初は、下に行くに従って、2 ずつ増える
  • 行内では、右に行くに従って、1 ずつ増える

  を 10 で割った余りを表示して、与えられた段数の三角形を表示するプログラムを作成せよ。

  何段ですか：5↵
  1
  34
  567
  7890
  90123
  

  何段ですか：7↵
  1
  34
  567
  7890
  90123
  123456
  3456789
  

  何段ですか: 0↵
  

  • 正解例は以下の通りである。

    #include <stdio.h>
    
    int main(void) {
         int i, j, n;
         printf("何段ですか: ");
         scanf("%d", &n);
    
         for (i = 0; i < n; i++) {
              int k = i * 2;
    	  for (j = 0; j <= i; j++) {
    	       printf("%d", ++k % 10);
    	  }
    	  putchar('\n');
         }
    
         return 0;
    }
    

• （必須）関数:
  提出ファイル名: feb09f_3.c

  int 型の引数 a, n を受け取り、 初項は \(a_1 = a\)、それ以外の項は \(a_k = 2 \times a_{k - 1} - 1\)   \((k \ge 2)\) で定義される数列の、\(a_1\) から \(a_n\) までを空白区切りで出力する関数 void foo(int a, int n) を定義せよ。nは 1 以上と仮定してよい。

  main 関数は、以下のコードを使用して、確認せよ。

  /* … 略 … */
  
  int main(void) {
      int a, n;
      printf("初項を入力してください: ");
      scanf("%d", &a);
      printf("項数を入力してください: ");
      scanf("%d", &n);
  
      foo(a, n);
      putchar('\n');
      return 0;
  }
  

  出力例は、以下のようになる。

  実行例 1:
  

  初項を入力してください: 2↵
  項数を入力してください: 5↵
  2 3 5 9 17 
  

  実行例 2:
  

  初項を入力してください: -1↵
  項数を入力してください: 10↵
  -1 -3 -7 -15 -31 -63 -127 -255 -511 -1023 
  

  実行例 3:
  

  初項を入力してください: 3↵
  項数を入力してください: 6↵
  3 5 9 17 33 65 
  

  実行例 4:
  

  初項を入力してください: 10↵
  項数を入力してください: 1↵
  10 
  

  • 正解例は以下の通りである。

    void foo(int a, int n) {
        int i;
        for (i = 0; i < n; i++) {
    	 printf("%d ", a);
    	 a = 2 * a - 1; 
        }
    }
    

  • 上の解答例より微妙に複雑になっている解答が多い。 単純な処理はそれに見当った単純なコードで定義できないと、処理が複雑になったときに、 コードが爆発的に複雑になってしまう。

• （必須）関数と配列:
  提出ファイル名: feb09f_4.c

  2 つのint 型の（同じ要素数の）配列 va, vb と、 これら 2 つの配列の要素数を表す int 型の引数 noをこの順に受け取り、 同じ添字の要素を比べて va のほうが vb より大きくなる （va[i] > vb[i] となる）回数を数える関数 int countLarger(const int va[], const int vb[], int no) を定義せよ。

  main 関数は、countLarger を適用した結果を表示するようにせよ。

  #include <stdio.h>
  
  /* countLarger の定義 */
  
  void printArr(int arr[], int no) {
      int j;
      printf("{");		
      for (j = 0; j < no; j++) {
          printf("%d, ", arr[j]);
      }
      printf("};\n");
  }
  
  #define N …
  
  int main(void) {
      int va[N] = { … }; 
      int vb[N] = { … }; 
  
      printf("va = "); 
      printArr(va, N);    
      printf("vb = "); 
      printArr(vb, N);    
      printf("va が勝ったのは %d 回です。\n", countLarger(va, vb, N));
  
      return 0;
  }
  

  実行例 1:（#define N 10）

  va = {9, 2, 3, 7, 0, 1, 5, 4, 6, 8, };
  vb = {2, 8, 7, 0, 1, 9, 5, 6, 4, 3, };
  va が勝ったのは 4 回です。
  

  実行例 2:（#define N 5）

  va = {5, 4, 3, 2, 1, };
  vb = {5, 4, 3, 2, 1, };
  va が勝ったのは 0 回です。
  

  実行例 3:（#define N 6）

  va = {2, 4, 5, 10, 3, 8, };
  vb = {1, 3, 4, 9, 2, 7, };
  va が勝ったのは 6 回です。
  

  • 正解例は以下の通りである。

    int countLarger(int va[], int vb[], int no) {
        int i, n = 0;
        for (i = 0; i < no; i++) {
            if (va[i] > vb[i]) {
                n++;
            }
        }
        return n;
    }
    

  • ほとんどの人ができていた。